薬機法チェックのおしごと

薬機法に基づいた広告チェックを行っています。

No1表示、信じる?信じない?

news.yahoo.co.jp

2024年3月1日、消費者庁から「イモトのWiFi」で知られるエクスコムグローバル株式会社に対して、景品表示法違反で措置命令が下されました。
では、何が問題だったのでしょうか?そして、なぜこのような表示が行われるのでしょうか?

何が問題だった?

エクスコムグローバル社が提供する海外Wi-Fiレンタルサービスに関する広告表示に問題があったことが明らかになりました。
この広告は、2020年から2021年版の旅行ガイドブックなど、複数のメディアに掲載されていました。
広告では、同社のサービスが「お客様満足度No.1」、「海外旅行者が選ぶNo.1」、「顧客対応満足度No.1」という形で紹介されていましたが、
これらの表示には根拠が欠けていることが後に判明しました。

この企業が委託した事業者による調査は、実際にサービスを利用したことがある人々を対象にしていないことが問題でした。
調査は、エクスコムグローバルおよび他の9つの特定事業者が提供するサービスに関して、実際の使用経験の有無を確認せずに行われました。
加えて、この調査は、これらのサービスのウェブサイトの印象についてのみ質問しており、客観的な調査結果に基づくものではありませんでした。

なぜこの企業だけがニュースにとりあげられた?

正直、「○○度No.1」という表示は多くの企業が似たような表記をしている気がしています。
中で、なぜこれらの企業だけが取り上げられたのでしょうか。
一つの理由は、これらの企業が提供するサービスの影響範囲が広いことが挙げられます。
特に「イモトのWiFi」は多くの旅行者に利用されており、不正確な情報による影響が大きいと考えられたからです。
私も旅行が大好きで、今では海外SIMが簡単に購入できるようになったのでWIFIを海外にもっていくことは無くなりましたが、
かつては私もこのサービスをネットで見つけて使用したことがあります。
検索しても上位に出てくるので広く知られたサービスとなっており、その影響度を消費者庁も懸念しての措置だったと思います。

景表法の広告チェックをしている立場から

景品表示法の広告チェックを行う立場からは、企業が消費者に誤解を与えるような表現を使用していないか、常に注意深くチェックする必要があります。
基本的に「No1」と記載があったら、私は指摘をして使わないように進めています。
しかし「ベストコスメ」て良い言葉ですよね。No1と大して変わりないように思うけれど、ふんわりした表現でうまいなと思います。
ただ「ベストコスメ1位から5位」のように記載する場合は根拠が必要ですし、しっかりとその根拠を記載しておかないといけないと思います。


「No.1」表示の背後には、消費者を購買意欲を高める戦略がありますが、それが事実に基づかない場合、消費者の信頼を損なうことになります。
今回のニュース、罰金等はありませんが、こうして大々的に取り上げてしまうと企業のマイナスイメージにもつながります。
今一度広告に携わる方は安易に表示を記載せず、ちょっと立ち止まって見る事大切です。

イモトさんも災難だったなー。ビックモーターのCMに出ていた佐藤隆太さんしかり…