薬機法チェックのおしごと

薬機法に基づいた広告チェックを行っています。

お断り案件

先日、いただいた案件。
お声がけいただいた方は多分ライターさんと思われます。

私は必ず、その商品の分類をはじめに聞きます。
商品の分類によって言えることが違うからです。
いつものように、先に商品の分類を聞くと「化粧品だと思う」とのお返事。

ん?
わからないの?

ネットショッピングのサイトはすでに出来ていて確認すると
薬機法に120%ひっかかる内容が満載でした。
疾患が治るような表現もかなり書かれています。

はっきりと、化粧品の場合、書いてあるほとんどを削除しなければ、大変なことになると伝えました。
もちろん医薬品でもないでしょう。
下手したら雑品かもしれません。

どうにかならないかと言われましたが、
そもそも、とても怪しげ商品と思えたのでお断りしました。

依頼をされる方が、商品の分類も知らずにそれも知らずにいるという事にびっくりしました。
そんなものなのでしょうか。

お仕事は1つでも多くいただきたいですが、
このような商品の場合はお断りさせていただくこともあります。

というお話でした。

薬事法チェックのお仕事を始めた理由

小林製薬の紅麹サプリメント事件。
健康に気をつけている人が被害に遭われたことは本当に悲しいことです。

私がこの薬機法チェックのお仕事をし始めた理由には2つあります。
まずは、
健康に悩みのある方が広告表示に惑わされて悲しい思いをしてほしくない。という思いからでした。
どうにか健康を取り戻すために少しでもいいものをと願って購入したのに、
全く無意味だったり、そういった人をだますような広告を世に流したくなかったから。

2番目はせっかく思いをもって作った商品なのに、国から広告でダメだし→販売に影響みたいな企業さんの助けになりたかったから。
すごく強い思いをもって作った商品を売り出したい企業さんに過去出会ったことがあります。
商品には絶対の自信があり、その熱量は本当に熱いものでした。
しかし、広告には薬機法違反の単語がズラり。
納得いただくのにすごく時間がかかったことがありますが、結局お話を聞いていただきチェック内容を承諾いただいたことがあります。

薬機法に沿った広告だと、本当にぼんやりしていて伝えたい事が伝わらないのは十分承知しています。
でも、国からの承認を受けていないものの効果をいう事は、できません。

なので私のチェックは結構厳しいと思います。
掲載された記事を見ると、私のチェックは反映されていない事もあります。
でも私は私の仕事をする。
それで私の思いが少しでも伝わるといいな…

健康被害の影響拡大:機能性表示食品の安全性に疑問

「紅麹」の8割、他社に供給 健康被害の恐れ、影響拡大も 小林製薬(時事通信) - Yahoo!ニュース

この事件は、小林製薬が販売した紅麴(こうじ)を含むサプリメント「紅麴コレステヘルプ」など5製品の摂取後、腎疾患などの健康被害が報告されたものです。
これにより、小林製薬は約30万個の製品を自主回収することを決定しました。摂取者の中には、一時的に人工透析が必要になったケースも報告されています。

この事件について、考えてみると「機能性表示食品」がこれでいいのか?という点、結構大きな問題ではないでしょうか。
特定保健用食品(トクホ)は国の承認を受けて発売します。
かなりの費用や時間をかけ発売されています。
一方、機能性表示食品は、国の個別審査を受けずに市場に出されています。
これにより、製品の安全性や効果に関する確固たる科学的根拠が欠如している場合があります。
それなのに、機能(ある程度の効果)を書けるというのは問題があると思います。

薬機法チェックのご依頼をいただくとき、
「トクホ」「機能性表示食品」「健康食品」どれなのか聞きます。
ルール上は「トクホ」「機能性表示食品」は効果をある程度記載が可能ですので。
しかし今回のような事件があると、まじめに「健康食品」を作っている企業は不利ですよね。
一体、「機能性表示食品」ってなんなんでしょうか。

そう思わせるニュースでした。

chatGPT-4に薬事チェックさせてみた!

yakkiho.hatenablog.com

私、薬事チェックは副業でやっているんですが、本業の方で必要になってchatGPTにとうとう課金しました!
課金したとたん、すごく仕事の幅が広がった!
便利だなと思うのはURLを読み込めたり、PDFを読み込めるのはありがたい。

で、先日ご依頼があったので、さっそく有料版を使って薬事チェックをやってみました。
厚労省等のページを読み込んでもらったりと。

しかし…

結論としては、chatGPTにも以下のように書かれていますが、その通りです。
「ChatGPTは間違いを犯すことがあります。重要な情報は確認をお考えください。」

手順としてはこんな感じ。
まずは原稿は自分が読みます。
その後、NGな箇所について代替え案をchatGPTに求めたのですが、代替え案も日本の薬機法ではNGになってしまうものばかり。
おしいのもありましたが。
ChatGPTを使いこなすには質問する側(使い手)の質問内容によって完成度が異なることは明確です。
なのでchatGPTに良い答えを出してもらうために、ものすごく時間をかけて質問を書くのですが、
この時間はむしろ自分で見てしまったほうが早いのでは?と思ってしまいます。

数学のようなものは得意と思われますが、言葉に関しては人間側の努力もかなり必要そうだし、
薬事の知識がない人がChatGPTで出した答えを使うのは危険と思いました。

というわけで、まだ人間のほうが役に立ちそうで良かった。

No1表示、信じる?信じない?

news.yahoo.co.jp

2024年3月1日、消費者庁から「イモトのWiFi」で知られるエクスコムグローバル株式会社に対して、景品表示法違反で措置命令が下されました。
では、何が問題だったのでしょうか?そして、なぜこのような表示が行われるのでしょうか?

何が問題だった?

エクスコムグローバル社が提供する海外Wi-Fiレンタルサービスに関する広告表示に問題があったことが明らかになりました。
この広告は、2020年から2021年版の旅行ガイドブックなど、複数のメディアに掲載されていました。
広告では、同社のサービスが「お客様満足度No.1」、「海外旅行者が選ぶNo.1」、「顧客対応満足度No.1」という形で紹介されていましたが、
これらの表示には根拠が欠けていることが後に判明しました。

この企業が委託した事業者による調査は、実際にサービスを利用したことがある人々を対象にしていないことが問題でした。
調査は、エクスコムグローバルおよび他の9つの特定事業者が提供するサービスに関して、実際の使用経験の有無を確認せずに行われました。
加えて、この調査は、これらのサービスのウェブサイトの印象についてのみ質問しており、客観的な調査結果に基づくものではありませんでした。

なぜこの企業だけがニュースにとりあげられた?

正直、「○○度No.1」という表示は多くの企業が似たような表記をしている気がしています。
中で、なぜこれらの企業だけが取り上げられたのでしょうか。
一つの理由は、これらの企業が提供するサービスの影響範囲が広いことが挙げられます。
特に「イモトのWiFi」は多くの旅行者に利用されており、不正確な情報による影響が大きいと考えられたからです。
私も旅行が大好きで、今では海外SIMが簡単に購入できるようになったのでWIFIを海外にもっていくことは無くなりましたが、
かつては私もこのサービスをネットで見つけて使用したことがあります。
検索しても上位に出てくるので広く知られたサービスとなっており、その影響度を消費者庁も懸念しての措置だったと思います。

景表法の広告チェックをしている立場から

景品表示法の広告チェックを行う立場からは、企業が消費者に誤解を与えるような表現を使用していないか、常に注意深くチェックする必要があります。
基本的に「No1」と記載があったら、私は指摘をして使わないように進めています。
しかし「ベストコスメ」て良い言葉ですよね。No1と大して変わりないように思うけれど、ふんわりした表現でうまいなと思います。
ただ「ベストコスメ1位から5位」のように記載する場合は根拠が必要ですし、しっかりとその根拠を記載しておかないといけないと思います。


「No.1」表示の背後には、消費者を購買意欲を高める戦略がありますが、それが事実に基づかない場合、消費者の信頼を損なうことになります。
今回のニュース、罰金等はありませんが、こうして大々的に取り上げてしまうと企業のマイナスイメージにもつながります。
今一度広告に携わる方は安易に表示を記載せず、ちょっと立ち止まって見る事大切です。

イモトさんも災難だったなー。ビックモーターのCMに出ていた佐藤隆太さんしかり…

ペット用品の広告チェック

今日はペットの広告について書いてみようと思います。

ペット用品の法律規制について

ペット用品市場は年々拡大しており、ペットフード、洋服、小物、おもちゃ、お手入れ用品など、様々な商品が販売されています。
これらの商品でも、「病気を治療できる」といった広告は薬機法・景表法の規制の対象となります
含まれる成分やその用途によって、動物用医薬品等とみなされることもあります。

ペット用品における景品表示法とは?

景品表示法は、不当な表示や広告による消費者の誤認を防ぐための法律です。ペット用品の広告においても、商品の品質や規格などが実際のものよりも著しく優良であると消費者が誤認するような表示は禁止されています。例えば、「絶対に病気にならない」といった根拠のない効能を謳うペットフードの広告は、この法律に違反する可能性があります。

ペット用品における薬機法とは?

薬機法は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の品質、有効性、安全性の確保を目的とした法律です。ペット用品に関しても、これらの製品が医薬品等と誤認されるような表示や広告が制限されています。例えば、ペット用シャンプーで「病気を治す」と表示すると、そのシャンプーが医薬品と誤認される恐れがあるため、薬機法の規制対象となります。

ペット用品の広告で注意すべきポイント

1. 効能効果の誇張:人間の商品も一緒ですが、ペット用品の広告で、科学的根拠に基づかない効能や効果を誇張してはいけません。
2. 医薬品的な表現の使用禁止:「治療」「予防」などの医薬品的な表現を使用することは、薬機法により制限されています。
3. 成分に関する誤解を招く表示:成分が特定の病気に効果があるかのような表示はNGです。


ペット用品の広告には、消費者を誤解させないよう、景品表示法や薬機法に則った表現を心がける必要があります。
繰り返しになりますが、これは人間の商品を広告するときと一緒です。
法律を遵守しつつ、ペットとその飼い主に喜ばれる商品広告を目指すことが大切と考えます。

最近SNS話題?のBB弾で景表法違反

最近SNSでなんだか話題のエアガン。あれは一体どうしたんですかね…
さて本日はこんなニュースをみかけました。

株式会社東京マルイに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms209_240222_1.pdf

私は健康食品や化粧品のチェックを専門としていますが、
薬機法チェック時には景表法違反もないかチェックしますので、
商品は全く専門外ですが、このニュースを読み解いてみたいと思います。

何が問題だったの?

この企業が販売していたBB弾は、自社のウェブサイトなどで「バイオ」「本物の安心感 生分解」「植物由来やミネラル成分で構成されたBB弾で、石油系の原材料は一切使用していません」といった風に紹介されていました。さらに、「土の中や水中の微生物によって分解されるから、屋外フィールドでの使用に適しています」とも広告をしていました。

どこが問題だったの?

上記に記載したように自社のサイトで「環境にやさしい」や「石油を使っていない」

「このBB弾は、使った後に自然に分解されて、環境に悪い影響を与えない」と広告していました。

消費者庁はこの企業に根拠の提出を求めましたが、消費者庁はその説明が十分ではないと判断しました。
結果、消費者庁は「景品表示法」に基づき、この企業に対して課徴金納付命令を出しました。
その額、なんと1353万円!
企業にとっても打撃でしょう…この金額。

商品を購入する人に対してはいつでも正しい情報を伝えることが大切です。
会社が商品について誠実にデータを出さない限り、私たちは本当のことを知ることはできません。
そして「エコ」や「バイオ」といった言葉は、今の時代、消費者にとっても、地球にとっても重要なキーワード。
多分この企業も地球に優しい商品をと思ったのは確かでしょう。でも広告の仕方が間違っていました。
残念な結果です。

私がもし、こういった全く専門外の依頼が来たら?
正直成分のことが本当にわからないと思うので、データを信じるしかありません。
誇大な表現は、指摘を受ける可能性があるので、気を付けてくださいという事くらいしか言えないかも…。